ハジケ。

体に栄養を、心に刺激を。

決められないという病

 大学四年生の六月。「就活生」であるわたしにとって、本当に苦しい時間だった。

 元々人当りもよく、学歴も初対面の人に「すごーい、頭いいんですね」といわれる程度の大学に通っていて、バイト先の副店長にも「はこむさんはさらっと終わるタイプでしょ」と言われていた。そしてわたしは、その何の根拠もない予想を鵜呑みにしていて、「働く」とはどういうことかをここに至っても全く真剣に考えていなかったように思う。

 三月一日。所謂「解禁日」である。この日、一斉に開かれたリクナビマイナビの説明会の申し込みにわたしも周りと同じように従った。朝起きて、「そういえば今日か」と思うようなのんきぶりだった。

 「解禁日」を迎える前から、それも去年の夏あたりから第一志望の会社はあった。地元で働けて、かつわたしの好きな本に携われる小さな出版社。そこの目星をつけて、というかつけすぎて、そのほかの会社にはあまり行きたいとも思っておらず、かつそれ以上会社を探すこともしなかった。

 働いている人がキラキラしていて、向上心にあふれていて、楽しそうに仕事しているのが印象的だった。わたしはここに入るんだ、と思って、「私は一月○○件もとったぞ」「私はそれよりも取ったから」と競い合う営業に少し躊躇するような気持ちがわいてくる素直なわたしの気持ちも聞けなかった。

 夏と冬に2度インターンシップに参加していたからか、運よく第一志望の会社の選考はするすると進んだ。いや、今から考えると進んでしまった、というべきかもしれない。

 他の企業は、まあ受けておかないとなという義務感から10ほどエントリーをして、特にやる気もないまま選考に向かっていた。それでも、地元の中小企業だし、私は優秀だから採ってくれるでしょ。むしろ内定いっぱい出てしまったほうが迷うし、絞ったほうがいい。傲慢すぎる就活生だった。ほんとうに殺してしまいたい。

 案の定、ろくに自己分析も、企業研究もしないまま惰性で向かっていた企業には、次から次へとお祈りメールを食らった。普通ならここで、「このままじゃだめだ」と考えるはずなのに、第一志望には自信があったため特に何の対策もしなかった。

 バカである。

 その馬鹿さ加減、「働く」ことをなめ腐った態度というのはやはり相手に伝わるもので、第一志望の最終面接。社長との一時間の面接で、とうとう化けの皮が剥がれ落ちてしまった。社長との波長が合わないまま、いつもは嘘だけはつかないようにと心がけていたのに、「TOEICで800点とるつもりですー」とか見栄ばっかり張って。腹の探り合いをしただけで、会話もできなかった。

 結果、1週間後に来たのは「今回はご希望に添えない結果となりました。」の一文だった。ものすごくショックだった。漠然と思い描いていた自分の未来が一気に遠のいていって、何も見えなくなった。

 そこまでいってようやく、他の企業に何としてでも受からないと!と気合を入れることができたけれど、重たい腰を上げるのが遅すぎた。本当に自分がしたいのは何か、何ができるのか。本来ならしっかり見えていなければならない本質の部分が、この時点で真っ暗になって何もつかめなくなった。

 志望動機をしっかり作りこんで、暗記するほど練習した。お祈りメールが来た。

 たまたま一次面接で通過していた最後の企業の最終面接。「もう後がない」と思いすぎて、声が震え、言葉だけがからからと滑っていった。「適正テストもよかったですよ」と言われていたのに。2週間を過ぎたころ、ポストに郵便が届いた。お祈りの手紙だった。

 自分の就活を振り返って、いま、涙が出てきた。情けないにもほどがある。自分は何がしたかったのか、どんな風に働いていきたかったのか。それが明確にないまま、ただ「就活ごっこ」を興じていたにすぎない時間だった。本当にバカだ。

 

 そして六月を迎えた。大手の企業の内定が次々と出て、まわりの友達は「弊社」と誇らしげに言える内定を得ていた。

 翻って私は。

 頭も動かさずに、ただただ足だけを動かしていたこの3か月間。(インターンも含めるとそれ以上か)私の手のひらに残っていたのは、「ここなら絶対に受かるだろう」と見越して練習につもりで受けた地元の、慢性的な人手不足に悩む中小企業だった。

 一番最初に得ていたけれど、まあ、いかないだろうと見ないようにしていた内定。3月にエントリーしたすべての企業が零れ落ちていったあと、かろうじて残ったこの会社を見つめざるを得なくなった。

 正直なところ、人事の人も「最近は内定辞退もありますから、気にしないでくださいね」といってくるような、人気とは程遠い企業だ。本社も古ぼけているし、説明会には私ともう一人しかいなかった。

 旧帝大現役合格、生徒会長。いつの間にか肥大化し続けていたプライドが悲鳴をあげていた。

「本当にこんなところでいいのか」「ここまで来てもったいないと思わないか」「そもそもやりたい仕事なのか」

次々とプライドの塊が私の心を攻撃してきた。「でも」一方で、めそめそとしたこんな声も行き交った。

「人事の人本当にやさしいし」「実家でゆるりと暮らせる」「最初はやりたくない仕事だけど、広報に映れるかも」

なによりももう、「就活続けたくない」。

 

 本当に決められなかった。自分で選んで、自分で受けて、自分で獲得した内定。誇るべき会社なのに、動機が曖昧だったせいで誇ることができない。すべて自業自得だったが、第一志望に落ちた時点で私はこうなる運命だった。それくらい、自分のことをしっかりと見つめることができていなかった。

 自分で決められないから、人からの評価を気にした。まずは転職サイトや知恵袋でどんな評判なのかを調べた。ことごとく酷評だった。(今思えば、人はわざわざ「いいよ」とは書きこまないし、ネガティブな言葉が多くて当然だ)

 転職しづらいらしいと聞いて、もし自分に合わなかったらどうしよう。その先の道はあるのか。と考えても仕方ないことを延々に考えて、眠れない夜が続いた。

 そうして一度考え始めると、すべてが不安になった。転職するにはキャリアアップするためのスキルが必要らしい。わりと公務員的な企業だからスキルなんて身に付きっこない。そもそも体力仕事なのに大丈夫なのか。

 お母さんに泣きついて、お父さんに愚痴って、お姉ちゃんに意見を聞いた。全部人の意見だった。そこに自分の意思なんて一つもなかった。

 毎日毎日泣きついて、ある夜おかあさんに、

「そんなに嫌ならやめれば。自分で決めないと意味ないやん」

と突き放された。奈落に落とされたような気持だったけど、同時にありがたかった。背中を押してくれているのが分かったから。

 皮肉なことに、ここにきてようやく、自分がやりたいことは何かを、自分の脳みそを動かして考え始めた。いままでわたしは就活を「他人事」のように思っていた。希望するところに取れればそれでいい。でも違った。働くのは自分だ、自分が未来を選ばなければならない。

 わたしの自己PRは、「チャレンジ精神と責任感」と語っていた。だけれど、本当にそうだったのだろうか。根拠として並べた生徒会長は、誰もやる人がいなくて嫌々やっていただけだったし、異文化交流も逃げ出したくて仕方なかった。経歴だけ見るとキラキラしていても、私の本質は平和主義。楽しいことはやりたいけど、そればっかりじゃ疲れてしまう。本当はそんな人間な気がする。

 こんなふうにつらつら文字を書くのは好きだけれど、それで何を伝えたいかというと、特に何もない。自分だけで完結してしまっていて、その先に相手はいない。自慰のようなエッセイだ。

 ある説明会で登場した社長が、こんなことを言っていた。

「いままで君たちは、消費という立場にいた。けれど来年からは生産という立場に移動する。消費というのはお金を払う代わりに好き勝手にできるという立場だ。一方で、生産というのは、お金をもらうだけの価値を相手に提供しなければならない。すべての仕事は人の役に立つためにある。」

 私にかけていたのはこれだ、と思った。仕事の先にある、消費者に何を提供したいのか。私は、私が何をしたいか、どんなことに挑戦してみたいか、それだけしか考えられていなかった。

 そう思ったとき、ふと内定先の仕事を考えた。決して派手ではないし、給料も全然よくない。休みも多くない。けれど、誰のために何をするかはものすごくはっきりしている会社だった。だからこそ、ここに入社して、人のためになにかをするということを、無意識にでもできるくらいになれば、今はこんなにくだらないわたしも、もっと人間として素敵になれるんじゃないか。そう思った。そうしていくうちに、今は不透明なやりたいことがわかったら、その方向を目指そう。

 

 今まで、自分で決める、ということを本当にしていなかった。正直今のこの結論も、本当に正しいのか、結局就活をしたくないだけの妥協なのか、まだ判断がつかない。

 自分で考えて決めること、みんなが当たり前にやっていることが私には本当に難しかった。けれど、決められないという病にかかっていたのだと思えば、これからリハビリしていけばいい、と前向きに考えられそうな気がする。

 とりあえず、就活の定番「今までで挫折したことはありますか」という質問には、「就活です」と胸を張ってこたえられそうだ。

 

6/22 熊野古道ふらり散策

今日は人とゆるく繋がれた楽しい旅だった。

 

午前7時、起床。

眠れなさすぎて笑うけど、バスの本数そんなにないし急がなきゃ。

ってことで朝8時前に出発。したのだけど、5分の差で乗りたいバスに乗れなかった…。次のバスは11:30…!?やっちまったぜ。

 

どうしようかなあ、って思いながらトイレに行くと、閉まったままの個室からケータイの音。誰かが寝ているらしい。

めちゃめちゃ人懐こい掃除のおばちゃんに相談されたけど、わたしそれどころじゃないんです〜。

でもやることもないし(バスがないので)うんうん、って聞いてたらバスのおっちゃんを紹介してくれた。おっちゃんに色々教えて貰って、「旅行に来たのに勉強不足やなあ」と耳に痛いお言葉。恐縮です。

 

9時10分にバスがくるらしいので、当初の「発心門王子→熊野本宮大社」は諦め、「滝尻→熊野中野大社」まで歩くことに。9時に開いた観光センターに飛び込んで教えてもらったり、その間にトイレに警察がきたり、同じコンビニに3回行ったりしながらなんとかバスに乗車。

 

滝尻でおりて、いざ、熊野古道に出発!

 

10時ごろ。

小さな神社で参拝してから、山道に入ります。

情報溢れる世界から切り離されたみたいな、緑と土しかない世界。舗装はされていないから当然足場を悪い。周りにはわたし以外誰もいなくて、一人で自然と闘ってるみたいなそんな気持ちだった。

急な坂道が続くからすぐに息が上がる。汗もダラダラ流れるし、日焼け止めを塗った首元が染みて痛かった。

 

滝尻王子→不寝王子をこえたところで、母胎くぐりがあった。岩の隙間のほら穴をくぐりぬけることで、安産の祈願ができるのだとか。

折角だしとはいってみたけど、予想以上に狭い狭い。人類の中でも小柄な方だけど、穴を覗いた瞬間に「これは人類向けの穴なのか?」と疑問を持たざるを得なかったし、最後くぐり抜ける瞬間も、カメラとか荷物とかを先に放り出さないと身動きも取れなかった。フェンスに顔が挟まって抜けなくなった子供の動画を思い出した。なんとかくぐることが出来てほんとよかった。警察のお世話にならなくて。

 

そのあとはもうひたすらに登る、歩く。たまにしんどくて座り込んで休憩した。

 

わたししかいない世界で、鳥と葉っぱの音を聞いていたら、なんだかもう仕事とかお金とか、ほんとは小さいことなのかもしれないなって思った。生きていくのに必要だけど、もっといろんな生き方がある。

少しだけ気が楽になった。

 

時折すれ違う人と「こんにちは」と挨拶するのが心地いい。展望台に登って、山と田んぼと人と、遠くに小さく見渡した。

道を間違えそうになった時には、たまたま通りがかったトラックのお兄さんが教えてくれた。

 

途中で見かけた木工作品の展示を覗いた。

カラカラと戸が開けた瞬間に鼻に飛び込む木の香り。丸みのあって柔らかい写真立てなどの数々。

中でも、メガネかけが可愛すぎて衝動買いしてしまった。いつもメガネどっかいっちゃうし、ペンたてにもなるから便利そう。1500円とお買い得。

木工の可能性って結構あるな。帰ったらおじいちゃんに弟子入りしようかな。

 

そして歩き続けて2時間。

12時ごろに、熊野中野神社に到着。

本宮ではないから小さな神社だったけど、やっと人里に戻ってきた感がすごい。

国際色豊かな芳名帳に私の名前も入れておいた。

 

ここらで一旦休憩しようと、休憩所へ。北海道のものとはまた違う「いも餅」なるものがあったので好奇心で購入。

 

おばちゃんに教えてもらったカフェへ行くと、なんとさっきのトラックのお兄さんがいた。びっくりした。

 

カフェ「霧の郷 たかはら」。

ここでハンバーグ定食980円を注文。

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これがほんとに美味しくてびっくりした。手作りのハンバーグは柔らかくてほろほろ崩れるし、そこにかかるトマトソースも目玉焼きとバッチリ合う◎

店員さん達もすごく楽しそうで、お客さんとの会話を楽しんでいるのがうれしかった。

 

就活生とか、阪大生とか、どこぞの内定者だとか、そんなステータスが一切関係ない「わたし」として接してくれるのが本当にうれしかった。わたしは「わたし」らしく生きれればそれでいいのかなって。

 

さて、予想以上に疲れたし、手荷物も増えたからこのまま帰るか迷ったけれど、折角だし本宮まで行くことに。バスを使って楽しちゃいます〜。

 

13:35 栗栖川

14:55 熊野本宮大社

 

バスの中で困ってる外国人の人がいたから、思い切って話しかけてみたけど全然役に立てなくて悲しかった…。

 

到着してから、まずは本宮へ。

五つの御神体があったから、順番に巡ったり、御朱印を頂いたり。ゆっくりと流れる時の中で参拝を楽しむ。

結構歩きで来てる人は少ない印象。熊野古道の目的地だからほとんど歩きかと思ってた。

 

ここで売ってた詣で餅が美味しかったんだけど、実家へのお土産にはちょっと賞味期限が短かったから断念。

 

それから、日本一大きい鳥居のある大齋原へ。

遠目から見ても、並び立つ木々が小さく見えるほど大きい。

くぐる時に見上げてみたけれど、大きすぎて首が痛いし全貌が視界に入らない。ものすごいインパクト。

鳥居の向こうには戦の跡地があったけど、時が止まった空間みたいで神秘的だった。

 

ちょっと疲れたから休憩所へ。

飲むみかん、なる100%オレンジジュースを片手に、さつまいものいも餅をぱくり。これが結構重量感があっておなかいっぱいになった。

 

そろそろ時間が来たのでバス停に戻る。

隣のベンチで待っていた外国人のお姉さんに話しかけてみると、熊野古道を歩いてきたとのこと。22kmも!

滝尻から中野神社で諦めたわたしとは大違い。

 

オランダ出身で、今は夫と台湾に住んでるとか。このへんいまいち聞き取れなくてどんな仕事してるのかはわからなかった。

すごくかわいいお姉さんで、バス停の名前がわからないっていうので「私が代わりに押すよ!」というとすごく嬉しそうにしてくれた。私も嬉しい。

 

お姉さんが降りてからはまた、答えの出ない将来像についてぐるぐる考えていたら紀伊田辺に到着した。19時00分くらい。

 

ゲストハウスへの帰り道のディスカウントショップで、野菜ジュースとヨーグルト、お惣菜を買って帰る。

帰ると、新しいお客さんが来てた。ウルグアイのお姉さんと、イギリスのお兄さん。最初アメリカと勘違いしてごめんなさい。

 

挨拶すると、そのままワインを勧められたのでご相反に預かることに。多分今までで一番リスニングしてたぐらい、ばあーって話されて、全然自分の意見言えなくて辛かった。

でも、前よりは何を話しているかわかるようになった気がする。

メディアのリテラシーとか、政治の話とか、宗教の話とか、ものすごく教養を感じる話題が多かった。なんか私のいつもしてる会話ってめちゃくちゃレベル低いんだなって感じた。

 

途中から来たニュージーランドに住んでる日本人の子は、もうぺらぺらで自分の意見がすごくあってかっこよかった。ああいうふうになれたらいいなあ。やっぱり留学行こう。

 

結局その日もあんまり寝れなくて、どうしようもないことをうだうだ考える夜だった。煮え切らない自分が嫌になるなあ。

 

理想と現実の問題だから、自分の中で落とし込めればどこでだって楽しく働けるはずなのに。

ああ、自分の未来が決まっていくのがこわい。

 

6/21 突発的小旅行 熊野古道

説明会に向かうバスの途中で、ふと、「やりたい思ったらその時にやらなきゃ」と思った。

そのまま熊野古道に行く方法を調べて、思い切ってバスを予約。あ〜〜予約しちゃったから行かなきゃ!!ってことで急遽その日のうちに和歌山に行くことになりました。

 

白浜エクスプレス大阪19号。

19:35分、大阪駅発。

 

そこから説明会にいって、終わってみれば16時。待て待て待て3時間後!?

今まだスーツだぞ!?

自分で予定立てておきながらキツキツすぎてアホかと思った。颯爽とパンプスを鳴らして家に帰り、15分で支度しな!状態で適当にキャリーに詰めた。

 

ちなみに持ち物⤵︎ ︎

◎財布

◎携帯

◎充電器

◎カメラ

◎服、下着

◎化粧品

◎基礎化粧品(今回はトライアルセット)

◎日焼け止め

 

以上。

ほんとに必要最低限だからちょっと不安だけど、旅は足りないくらいがちょうどいいさ。

 

さて出発。

早速問題発生。当然のごとくスマホの充電は消えかかってるのに、バッテリーが既に死んでいた。

どうする!?バスの中はいいとして、着いてからのゲストハウスに辿り着けるか問題深刻すぎない!?

でも携帯なしでたどり着くのも面白いかなと思って、ペンとノートだけ持ち、最悪に備えてゲストハウスの住所と電話番号を控えておく。

 

そして悲愴な決意を込めてバスに乗車…。

したら電源がありました。最高!

おーい未来のわたし〜!今、充電しつつ日記を書いておりますよ〜。なんの報告。

 

今回泊まるのは、こちらのゲストハウス。

『Guesthouse TAKAO』

2泊で4500円くらいの激安にもかかわらず、めちゃ可愛い見た目!ポーランド人のお兄さんが経営してるのだとか。楽しみだなあ…!

 

22:40すぎ、紀伊田辺駅に到着。

辺りはもう真っ暗。

ちょっと不安になりながらもGoogleMAPを駆使してゲストハウスを探す。やっぱりあってよかった、そうiPhoneならね。

 

なんか込み入った裏道に入っていき、えほんとに大丈夫…?って思い始めた頃に見つけました!

早速中に入ると、お兄さんが迎え入れてくれた。

たどたどしい日本語だけどめっちゃ丁寧で好感度高いです。大きな宿じゃないけど、綺麗に清掃されたシャワールームにトイレ、畳と柔らかい布団があるから十分。

今日はわたし一人みたいだし、なんにも気を使わずに寝させてもらいます。

「他になにか質問、ございますか」

っていってくれるのがかわいかった。

 

説明会帰りで疲れてるし、もうぱっぱと寝ちゃいましょう〜。

とかいいながらやっぱり将来の不安で眠れないわたしであった。(睡眠時間3時間)

 

09/19 じゅういちにちめ。

使ったお金。

・クロワッサン €1.3

・ウフィッツィ美術館 €20

ウフィツィ美術館のbar €5.5

・パニーニ €6

ジェラート €7

・ヴィンサントとサバ €5.54

・スーパー €3.69

2019/01/14 和歌山

三宅先生のパンダ自慢を聞いて、行きたくなってしまった突発的和歌山日帰り旅行。

のがみんを誘って一番早い日程にしよう、と言うと出発までたった4日しかなかった。これでも行けるって、意外と旅行は身近なもんだなあ。行くたびに近くなるわ、旅行。

 

珍しく早起きをして、7時に石橋に集合。いつも眠っている時間だけれど、世間の人がこんなに活動していることに驚く。すごいなあ、みんな。

7時50分の高速バスで梅田から和歌山へ出発。梅田で買ったパンとともに。塩パンは安定。

早起きして意識が高いから、次々出てくる日本語トーク&就活トーク。いいじゃんいいじゃん、今日素晴らしいよ。

 

一眠りしつつ、まずは和歌山アドベンチャーワールドに到着。トイレがなくてコンタクトをつけるのに苦戦したけど、視界を手に入れた途端にお店に並ぶパンダのアイテムに圧倒された。ぬいぐるみ、カップ、キーホルダーなどなど、全部センスが光るからやめて欲しい。欲しくなっちゃう。

 

とりあえず目をつけていた、パンダ団子をふたりでわけっこ。のほほん感が超可愛いし、素朴な甘みが美味しかった。

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成人の日で祝日だったのにそんなに人が多くなくて、広い園内をゆっくり見て回れたのがほんとに良かった!海遊館だと狭いスペースにギチギチなのにね。

 

さて、まずはアニマルアクションっていうショーを見るために園内を散策。そしたら看板も檻もないのに鳥や動物が普通にいてびっくりした。散歩してるおっちゃんみたいな頻度。当たり前に動物がいる光景、というか。

 

アニマルアクションは、多様な動物が少しずつ芸を見せてくれる感じの珍しいスタイルで、いろんな可愛いをぎゅっと詰めましたって感じ。アシカがボール遊びをすれば鷹が客席を舞い。

ベンギンが通り過ぎれば犬が走り回る。

風が吹けば桶屋が儲かる

ペリカンが歩きにくそうに巨体を揺らして陸を歩く姿とか、コツメカワウソがバスケをする姿とか、とっにかくかわいい。

最高!アニマル〜〜〜っ、アクション!

 

さて、次は目玉のパンダを見に行くことに。まずはパンダラブから行って、お兄さんパンダたちを眺める。

一匹はとろけてて、一匹は図鑑から飛び出したようなパンダだった。Theパンダ。パンダの中のパンダ。

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実はパンダを肉眼で見たのは初めてかもしれない。思ったより大きくて肉厚だった。強そう。

 

続いて2018年の4月に産まれたばかりの赤ちゃんパンダ、彩浜を見に行った。ガラガラの園内だけど、ここはさすがに人が多かった。1番の目玉だしね。

トイレから帰ってきたらのがみんがいなかったり、なかなか合流出来なかったりしつつ30分ほど待って、一列目パンダの真ん前へ。残念ながら私たちが2列目にいた時の方がパフォーマンスしてくれてたけど、ぐったりしてる赤ちゃんパンダも可愛かった。まだ汚れが少ないから毛が親よりも白い。

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ここで一旦休憩を挟んで、お昼にすることに。いつの間にか1時30分を回ってた。ユニバなんかよりも低価格で美味しそうなものがいっぱいあって、悩み回ったけれどかわいいカバのハンバーガーにすることに。

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パンの形が可愛いね。紀州を活かして、梅肉を使った和風のハンバーガー。あっさりしつつもお肉のジューシーさもちゃんとあって、見た目だけじゃない美味しさ。ご馳走様でした。

 

既に入場料4500円分くらい楽しんだような気がする。高いと思ってたけど、来てみたら納得の内容。超楽しい。

 

時間的にピッタリだったから、コツメカワウソの餌やりタイムを見学に。

お兄さんが餌をやりながらカワウソと戯れるかんじだったんだけど、これがまた芸達者でびっくりした。魚をつまんだお兄さんの手を追って三回転、からの「バーン」で撃たれたフリ。撃たれたフリうますぎん?大阪人やん。

とくに一番若いカワウソが、餌をもらうたびにめちゃくちゃ嬉しそうに飛び跳ねるのがかわいかった。癒し系。

 

ちょこちょこその辺にいる動物を見ながら、次の目的地へ。ほんとにクジャクとかも未知の脇とかに普通にいるのがよくわからないといったかんじ。なんか歩いてたらポケモン出てくるみたいな感じ。

 

さてお次。イルカショーへ。

ちょうどステージの奥からおてんとさんが顔を出していてめっちゃまぶしかった。照らされたステージの上では、ウエットスーツを着こなしたお姉さんたちがイルカたちと完璧に共生してた。

珍しく、ブリーダーのお姉さんたちも水の中へ飛び込むスタイルで、お姉さんの足の裏をイルカが支えて、エンジンみたいに勢いよく泳いでいるのがすごく印象的。ほんとに何度も練習をしないとできないはずなのに、イルカたちとお姉さんたちとの強いきずなを感じて感動した。かっこよかった。

 

 ショーが終わった後に会場を出ると、ちょうどサファリへのトラムが出るところだったので、急いで飛び乗る。やめましょう、駆け込み乗車。ちなみに無料で出てるトラムに乗ったけど、有料で自転車を借りて回ることもできるみたい。それもまた一興。

 トラムは後ろのほうに乗ったからか、動物紹介のアナウンスと実際の動物を見れるタイミングがズレてたけど、どのアナウンスがどの動物の紹介か考えるのもなかなか面白くてよかった。草食動物のエリアはトラムが通る道路に動物が飛び出してくるくらい放牧状態。あ、いるわ。くらいの距離感だった。バクとかちょっと珍しい動物も見れてご満悦。

 肉食動物のエリアはさすがに檻が設置されてたけど、すごく広々してて野生に近いような状態が楽しめたのでは。ホワイトタイガー高貴だった。

 

 楽しい時間は早いもので、もう3時。予定がつかえているので後ろ髪引かれまくりながらアドベンチャーワールドを後に。ちょうどバスが行ってしまったタイミングだったので、贅沢にタクシーで白浜駅へ。のがみんがタクシーのおっちゃんとめっちゃ喋ってて尊敬した。強すぎ。

 

 白浜駅で、まず食べ歩きMAP(

南紀白浜食べ歩き・まち歩きマップ販売開始|ニュース|南紀白浜観光局

)を購入。800円で掲載されてるグルメ・温泉のうちから2つを楽しめるスグレモノ。

早速駅でレンタサイクル。あんまりいいやつじゃないからって、500円の自転車を半額で借りられた。ラッキー。

 温泉目指して出発!

 疲れた!

 意気揚々と漕ぎ出したはいいけれど、思ってたよりもめちゃくちゃ遠い。道路の看板を見るたびに遠すぎて泣きそうになった。足痛いしお尻割れる。

 ほんとに坂道が急こう配できつかったけど、下り坂は風を切って滑るように進むからすごくさわやか。気持ちの良い時間。まあ上り坂地獄だけど。

 のがみんとぶつくさ言いながらなんとか最初の目的地、幸梅漬本舗へ。疲れた足を投げ出して、梅のソフトクリームでのどを潤す。最高。やっぱり運動の後の冷たいものは至極。

 帰りの電車も迫っているのでさくさく行くぞ。

 休息してから再びチャリにまたがって、白良湯へ。温泉はいる前に、海岸に夕日が沈んでいくのが見えたので急遽予定変更。そのまま白良浜におりて、靴を脱いで、素足で砂浜を散歩。水平線へ沈んでいく太陽の赤さと、足をひんやりとつつむ砂の白さ。ずっと見ていたくなるような、明日のことも忘れるような景色でした。

「これこそが”エモい”」 byのがみん

 冬なのに、調子に乗って少しだけ海水に飛び込んでみた。水が空気みたいに澄んでいて、ハッとする冷たさが心地よい。青春した。

 

 足についた砂を払い落として、温泉で温まることに。番頭さんもいる温泉で、レトロでお洒落。一日遊んだ疲れをゆっくり解して、ひといき。やっぱり温泉は落ち着きますなあ。

 

 さて、帰りますか。来た道を思い出して、駅の遠さに絶望しながらひたすら漕ぐ。途中でちょっと気持ち悪くなるくらいしんどかったけど、電車は待ってくれないので。急げよ、わたし。

 とかいいつつ、生カゲロウだけ食べてみたくて、カゲロウカフェに寄り道。したんだけど、残念ながら生カゲロウはすでに売り切れ。肩を落としてたら、店員さんが「学生さんならおまけあげるよ」とカゲロウと柚子もなかを一つずつくれた。女神。生カゲロウはまたリベンジしに来ます。

 

 で、どうにかこうにか白浜駅に到着。必死に漕いだおかげで、特急の切符を購入した後に10分ほど時間を確保できた。その時間でさくっとお土産を買うことに。安くておいしいという柚子もなかと、じゃばらじゅーすと購入。じゃばらっていうのは珍しい柑橘系の果物なんだって。さすが和歌山。私の知らない果物がいっぱいあるわね。

 

 手土産を買ったところで、ちょうど特急くろしおがホームに入ってきた。じゃあ、大阪帰ろう。たった一日の日帰り旅行だったけど、めちゃくちゃ濃くて楽しくて最高な旅だった。和歌山、白浜、最高でした。また行きます。

 

  

 

 

 

使ったお金

・大阪→和歌山(白浜)バス 2980円

アドベンチャーワールド 4500円

・パンダ団子 250円

・カババーガー 700円

・コースター 170円

・マグカップ 950円

・タクシー 615円

・レンタサイクル 250円

・食べ歩きマップ 400円

・お土産 752円

・新幹線 4140円

 

合計 15707円

 

11/1.2 静岡

学祭休みで暇なので、どこかに行こうと思った。ふと、いつか見たTwitterの「さわやかおいしい」というツイートを思い出して、すっかり口がハンバーグを求めるようになってしまった。

と、いうことで一泊二日の静岡ぶらり旅。今回は一度ちゃんとやってみたいと思っていたひとり旅に挑戦。

 

前日の31日に夜行バスに乗車。大阪駅から静岡県三島市までのWillar Express っていうバスにしたんだけど、これが予想以上にいいバスだった。隣の人と肩がぶつかることもないし、顔を隠すシャッターまでついてる。おまけに乗車待合室にはトイレじゃない化粧のためだけの化粧室があった。え、最高では?安いし。

 

思ったよりも快適に熟睡できたことに感動しつつ、翌朝7:00、無事三島駅に到着。駅のトイレでコンタクトをはめて、適当に眉毛を書いておく。

昨日、さつまいもをどか食いしたからか、おならが止まらないんだけど、全然歩いてる人がいないから道路にガスを置いていく。ごめんね、静岡。

お腹スッキリさせようと思ってコンビニでヨーグルトを買い、イートインで食べてると気持ち悪いジジイに話しかけられてしまった。「ちょっとつきあってくれる?」とか言われたから「嫌です」って即答したんだけど、なんかめっちゃ質問してくる。問答無用なら断り入れんなや。「結婚してる?」とかほざき出したあたりからガン無視でイヤホンを装着。アズナスで身につけたスルースキル舐めんな。そして撃退に成功。

 

そんなこんなで8時になったので、三島駅から歩いていける三嶋大社に行くことにした。8時半開始でまだ時間があったけど、歩いて行くと意外と時間がかかってちょうどいいくらいだった。

入ると、巫女さんたちが落ち葉を掃いていた。さっぱりとした秋の朝が神秘的に始まる。開始少し前の静かで霊感あらたかな空間を味わうことができた。

参拝を終え、御朱印を頂戴してから、大社内を一周見て回る。最後に、「大社のよりどころ」という売店に立ち寄って、お茶セットを頂いて一服。温かい緑茶と、大社の名物「福太郎」のセット。柔らかな草餅に甘すぎないこしあんがほっこりする味わい。ごちそうさまでした。

 

大社を出ると、周りにお土産やさんが立ち並んでいることに気づいた。適当に歩いて回ると、「みしまコロッケ」の暖簾。三島では、メークインを使用したコロッケが有名らしい。土産屋さんに聞いてみたところ、まだコロッケは上がっていないとのこと。残念。

どこかにないかと探してみると、大社から徒歩3分ほどの近さに地元のお肉屋さんがあった。お肉屋さんのコロッケは間違いない。確信しながら、揚がっているか聞いてみたところ、ちょうど揚がったところだった。タイミング神かよ。

今の時期はジャガイモとサツマイモがあるらしい。迷ったけれど、期間限定に弱いのでサツマイモにした。でも定番も食べてみたかったから今度はジャガイモにしよう。

包み紙ごしにもコロッケの熱が伝わってきて、気分も上がる。かぶりついてみると、パン粉のざっくり感のあとに、素朴な甘みがほくほくと広かった。おいしい。

 

とりあえず駅に帰ろうと、帰路に着いた。んだけど、途中で見つけた「楽寿園」の看板に迂闊にも惹きつけられる。覗いてみると、学生は無料の文字。これは入るしかない。入った。

 

一歩足を踏み入れると、植物の世界だった。様々な種の植物がいつもより高い秋の空を目指すように伸びていた。種名を確認しながら一つ一つ鑑賞する。お気に入りは、まるでイラストみたいなまだら模様の「カゴノキ」。

 

静かな森の雰囲気を味わっていたんだけど、そこに現るのは小学生の大群。一気に賑やかになった。どうやら校外学習か何かのようで、いくつかの学校がやって来ていた。

 

植物園の奥には動物と触れ合える施設もあって、小学生に混じって動物を眺めた。小さい施設だから定番しかいないかと思ったが、むしろ珍しい動物が多く、なかなか面白かった。お母さんを見習ってカピバラを撮ってみようかと思ったけど、場所が悪くて行けなかったので、代わりにアルパカ。

 

どうやら一昨日から菊祭りが始まったらしく、一番優秀な菊を争う評価コンテストが行われていた。だからタイミングよ。

 

一通り見終えて、ようやく三島駅に帰って来た。来宮神社を目指して熱海駅へ向かう。熱海はやはり、温泉目当てでくる観光客が多いようで、温泉街があったり土産屋がずらっと並んでいたり、観光地らしかった。いろんな雑貨のお店にふらふら出たり入ったりしつつ、道に沿って山を登り、来宮神社へと歩いた。12時ごろに到着。

 

参拝しながら奥へ向かって行くと、突き当たりに目玉である、樹齢二千年の楠がどっしりと構えていた。長生きしている証なのか、木の根元は複雑に絡まっていて、不気味さと神秘さを同時に感じさせる。この二つは表裏一体だ。

胸の奥にひっそりと願いを込めながら、幹の周りを歩いた。どうか、どうか叶いますように。

 

御朱印を頂戴する間に、カフェやお守りを見て回った。どうしても叶ってほしい願いのため、思い切っていつもは買わない健康御守も買ってしまった。なんだかここのは本当にパワーがありそうな気がする。

来願成就。してくれますように。

 

帰りの熱海駅へと歩く途中で、練り物屋さんをチラッと覗くと、勢いのすごいおばちゃんに捕まった。うちのは美味しいよ美味しいよ、揚げたて上げるよと言われ、終いには温かいお茶が勝手に出て来たので諦めて入店。一番人気だという、イカ大葉天(¥324)をあげてもらった。熱々で、イカを噛み切るのが大変だったけど、コリコリとした食感と大葉のさわやかな後味であっさり食べられた。

「働いてるの?今日は休み?」と矢継ぎ早に書かれて、適当に頷いていると、大阪で営業をしてみるOLになっていた。ノルマがあって大変だって言っておいた。想像だけだけど。

ひとりで知らない街にいると、私は何者にでもなれるのがなんとなく楽しくて、でも悲しかった。

お喋りな店員さんの、呼吸の合間を縫って退散。駅までの商店街を試食を繰り返しながら歩く。途中で食べた黒ごま饅頭がすごく美味しかったんだけど、2日しか日持ちしなかったから諦めた。おいしかったなあ、濃厚で。

 

さて、熱海から静岡まで電車に揺られるとするか。平日のお昼だから空いていて、席をキープすると、いつのまにか寝てしまっていた。隣の人に何度もぶつかった気がする。

 

そんなこんなで静岡に到着。ぶらぶらしてみた印象としては、割と都会だなあ、と。flying Tigerとかタピオカ専門店とか、大阪京都で有名なお店が結構あった。

 

新静岡駅まで来たので、満を辞して、さわやかへ。さわやか新静岡セノバ店。3時過ぎというのもあって店内は空いていてすぐに注文できた。ハンバーグのサイズ、ご飯を付けるか否かで迷ったけど、結局ド定番を食べてみたいってことで、げんこつハンバーグ単品を注文。

 

コミ通り、店員さんがまあるい肉の塊を持ってきて、目の前で二つに分けて、断面をこんがり焼いてくれた。ソースと肉汁の焦げる匂いが半端じゃない。食欲全開。

食べられるかなーーーとか思ってたけど、気づいたら半分無くなってて、そのうち皿が空っぽになった。

表面は歯ごたえがあって香ばしい印象なんだけど、ナイフで切って中を見ると、赤くて生っぽいお肉。これが柔らかく溶けていって、表面とのメリハリをつけてくれている。まあとにかく、私は今!!肉を食っている!!という感覚を味わえる野生のハンバーグ。美味しくいただきました。

 

まるまるとしたお腹を軽くするために、適当にぶらぶらしてみる。ファッション街に行ってみたり、喫茶店のメニューを見てみたり。お腹膨れてるのにね。

結局、Google先生に聞くと近くに公園があるらしいってことで、行ってみることに。時刻は六時前。もうすっかり空気は冷えて夜が訪れていた。冬が近づいてきたね〜。

 

駿河城公園なる場所に近づいていくと、何故か警備員さんの姿。もう夜なのに公園に向かう人の姿がちらほら見える。え、夜に公園とか行く?自分を棚に上げてなんだけどさ。

 

疑問に思いながら到着すると、人がいた理由がわかった。ちょうど、大道芸のワールド大会をやっていたらしい。タイミング凄すぎな?

塾帰りらしき高校生が屋台ではしゃぐのを見ながら、私もいろんな屋台を観察。思ったよりも大規模でたくさんの屋台がでてた。

公園内に大道芸ブースが点在してて、歩いて回りながら発見した人の芸を楽しむ。タイムスケジュールも何も知らないから、時と運任せ。

 

ラッキーなことに、台湾の世界チャンピオンの大道芸をたまたま見られた。炎を灯した棒を平然と振り回すファイアー使いと、木製のフラフープみたいな器具を体の一部みたいにして目が回りそうなほど高速で回る細マッチョ。大迫力で目が離せなくなるほどの高度な技術。すごい!!って思いながらラストまで見て、演者が英語を話し出した時はびっくりした。そこまでグローバルな催しだったんだ、って。人生初かもしれないお捻りを投入。大満足でした。

 

他にもいろんな芸を見ながら、ふと屋台を見ると「しずんかおでん」の文字。あかねちゃんがおでん美味しい、黒はんぺんがいいよーって言ってたことを思い出して、お腹のハンバーグと葛藤しながら結局買ってしまうデブ。意志が弱い。魔法の言葉「折角だし」。

ともかく、冷えたからだにほくほくのおでんが染み渡る。大根とこんにゃくが美味しかった。注目の黒はんぺんはすごく歯ごたえがあって、すり身感がある。ざらざらした舌触りで面白かった。

 

大道芸を満喫したあとで、やっと今夜の宿へ。30分ほど歩いて、泊まれる純喫茶「ヒトヤ堂」。ここがめちゃくちゃ昭和レトロな雰囲気でお洒落なのに落ち着く空間だった。

特に喫茶店と滞在者共有スペースが混じり合ったところがお洒落。お洒落すぎてこの空間にいたくて、本棚から一冊選んで柔らかな光に照らされつつ読書。豊島ミホの「檸檬のころ」。爽やかな表紙に惹かれて。

他の人もここでご飯食べたり動画見たりしてた。居心地いいよね。

 

一時間ほど経ち、キリのいいところでシャワーを浴びる。タオル忘れちゃったから有料のを借りたのはちょっと不覚。さっぱりしてから二段ベッドの上には入り込み、包まって就寝。長い1日だった。

 

 

翌朝。八時半ごろには目が覚めて、顔を洗って気持ちばかりのメイク。なかなか健康的。

九時半にはロッカーの鍵を返して、宿をたった。お姉さんの浪漫が詰まったいい宿だった。私と同じようなひとり旅の女の子がいて、ちょっと仲良くなりたいと思ったけど、今の私にはまだ無理かなあ。

 

今日は一日、ごはんを中心に動く。

まずは静岡駅から電車に乗って、用宗駅へ。

海の近い駅で、降り立った瞬間になんとなく潮の香りがする気がした。漁港の方へ向かう。

なかなかの田舎で私としては結構落ち着く町。海が近い町は独特の開放感があっていいかも。

 

ちょっと歩いて、ぐるりと塀が囲む漁港を発見。少し早かったのか、人っ子一人いない。海も穏やかで、波音も立たず、とっても静かな午前。目的のどんぶりハウスに近づくと、まだ準備中。11時開始なのに10時くらいに到着しちゃった。

野菜ジュースを飲んでお腹を宥めながら、木陰でひっそりと休むことにする。まばらに過ぎる人がチラ見していくのがちょっとキツい。

11時に近づくにつれて、車で観光している人たちがぱらぱら集まってきた。やっぱ静岡は車で回るべきだよねえ、駅から結構歩いたし。

 

やっと11時になったので、どんぶりハウスがオープン。早速、生しらす丼を注文してみた。

しらすといえば釜揚げしか食べたことがなかったから、生ってどんな味なんだろって気になってたんだよね。正直ちょっと食中毒とか怖いかなって言う気持ちもあったけど、チャレンジ精神が大事、何事も。

 

すぐに番号が呼ばれて取りに行く。これ、見た目がすごい。透明感のある銀色の魚が、ごはんが見えないくらい大盛りにされていて、大量の目ん玉が光を弾いてちょっと不気味。

どきどき、はらはらしながら醤油をひと掛け。そして実食。思ったよりもなんていうか、味がしない。ツルツルとした食感が面白いんだけど、とにかく淡白な味。これはこれでまずくはないけど、私は釜揚げしらすの方がほっこり甘みがあって好きかも。まあ、食べなきゃわからなかったことだから、いい経験になった。

結構ごはんが多くてお腹いっぱいになったな。ごちそうさまでした。

 

さて、次はななやで抹茶ジェラートを食べるぞ。予定は決まっていたけど、ちょっと腹ごなしの散歩が必要だったから、折角だし富士山が見えるという用宗の浜辺へ。

海が見える場所まで来ても、山なんて一つも見えないじゃん。って思ったけど、釣り人がたくさんいる一本道が海を割るようにかかっているのをみて、そこに行ってみることに。

結構高さがあって怖かったけど、何人かの釣り人を追い越してから富士山の方向に顔を上げてみると、小さくだけどすっきりとした山の輪郭を発見。青い空に良く映えていた。かっこいい形だなあ。

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静岡っぽさを味わったところで、ななや本店のある藤枝駅へ移動。なんか砺波の街並みを思わせる木々。枝の間に死ぬほど蜘蛛がいて、木の下をくぐるたびにちょっとビビった。

 

ななや本店までが結構遠くて、30分以上歩いたんじゃないかな。着いた時はちょっと感動した。

お腹もいい感じに空いてきた13時ごろ。1から7まで抹茶の濃さを選べるというジェラートが売りなんだそうな。標準レベルの3と、ここでしか味わえない濃厚さの7を選んでダブルのジェラートに。もう色からして濃い。一般的な抹茶の緑ではない、敢えていえば苔みたいな色。例えが酷いな。

まず3から食べてみると、普通にさっぱりした抹茶で、ほのかな甘みを感じる美味しいジェラート。え、3でも十分抹茶だったぞ?恐る恐る7を口に運んでみると、抹茶につける形容詞としてはおかしいとは思うんだけど、ガツンとくる抹茶の渋み。まるでお茶っ葉を丸かじりするような味わいのアイスバーセブンイレブン風)。口に入れた瞬間は香り高くて上品なお抹茶って感じなんだけど、溶けて残っていく後味が完全に葉っぱ。めっちゃ面白い味だった。ふたつを交互に食べると甘みも引き立つし、抹茶感をたっぷり味わえて最高。

 

ジェラートが美味しかったから自分へのお土産を選ぼうと見て回った。店内には所狭しと抹茶のお菓子が置いてあってどれもこれも美味しそう。迷いに迷って、ジェラートと同じ基準の1から7の抹茶濃度を選べるチョコの7をチョイス。あとで家で食べて後悔した。濃すぎてチョコ食べたあとなのに甘い物欲しくなる。

あと、試食して美味しかった玉露(緑茶)のチョコも選んだ。ついでにしっとりタイプのクッキーも1枚買って、我慢できずにその場でぱくり。美味しかった。

 

さてさて、目的を果たしたので、帰りのバス乗り場の浜松駅へと移動。1時間くらい、ウトウトしながら電車に揺られる。今回はちょっと歩きすぎだったから、クロスバイクとか買うのもいいかもなあ。

 

静岡駅と同じくらいの都会さ、浜松駅。バスターミナルがでかい。到着したのが3時頃で、バスの出発が5時頃だったから、滞在時間は2時間余り。ちょっとだけショッピングをすることにした。

百貨店の地下で野菜とかお菓子を冷やかしに行ったり、安売りしてたミニトマトをなんとなく買ってみたり。荷物が増えるから服は見ないと思ってたらあっという間にショッピングが終わって、暇になっちゃった。

 

駅に戻って、お土産屋さんでうなぎパイを買うという約束も果たしたので、記念に浜松餃子だけ食べて帰ろうと決めた。

並んでて時間が心配だったけど、回転率が高かったからなんとかお店に滑り込み。駅構内の、石松餃子。

実はあんまりお腹すいてなかったから、1番少ない浜松餃子単品、10個だけを注文。

にんにくの香りがすごくて、すごくて、なんか匂いだけでお腹が脹れてきて、なんならちょっと気持ち悪くなっちゃった。

食べてみたらいけると信じて、届いてしまった餃子を心を無にしてぱくり。お?皮がもちもちで歯ごたえがあって、その奥から温かいキャベツがほんのり甘さをひきつれながら溢れてきた。あれ、美味しい。意外といける。

ま、途中でやっぱり気持ち悪くなっちゃって、休憩を挟みながらお腹にねじ込むような形になってしまったんだけど、ほんとに美味しかった。体調が優れなかったのが悔やまれる。

 

とまあ、半ば意地みたいなかんじで最後まで静岡を満喫した。そして高速バスに乗り込んで、帰りは死んだように眠っていたのでした。

 

観光地としてはあまりパッとしない印象だったけど、静岡、めっちゃいいところやん。食べ物美味しいし、神社とかの非日常感も味わえる。次来たら、キルフェボンも行ってみたいし、自衛隊の空母部隊も行ってみたいな。