ハジケ。

体に栄養を、心に刺激を。

11/1.2 静岡

学祭休みで暇なので、どこかに行こうと思った。ふと、いつか見たTwitterの「さわやかおいしい」というツイートを思い出して、すっかり口がハンバーグを求めるようになってしまった。

と、いうことで一泊二日の静岡ぶらり旅。今回は一度ちゃんとやってみたいと思っていたひとり旅に挑戦。

 

前日の31日に夜行バスに乗車。大阪駅から静岡県三島市までのWillar Express っていうバスにしたんだけど、これが予想以上にいいバスだった。隣の人と肩がぶつかることもないし、顔を隠すシャッターまでついてる。おまけに乗車待合室にはトイレじゃない化粧のためだけの化粧室があった。え、最高では?安いし。

 

思ったよりも快適に熟睡できたことに感動しつつ、翌朝7:00、無事三島駅に到着。駅のトイレでコンタクトをはめて、適当に眉毛を書いておく。

昨日、さつまいもをどか食いしたからか、おならが止まらないんだけど、全然歩いてる人がいないから道路にガスを置いていく。ごめんね、静岡。

お腹スッキリさせようと思ってコンビニでヨーグルトを買い、イートインで食べてると気持ち悪いジジイに話しかけられてしまった。「ちょっとつきあってくれる?」とか言われたから「嫌です」って即答したんだけど、なんかめっちゃ質問してくる。問答無用なら断り入れんなや。「結婚してる?」とかほざき出したあたりからガン無視でイヤホンを装着。アズナスで身につけたスルースキル舐めんな。そして撃退に成功。

 

そんなこんなで8時になったので、三島駅から歩いていける三嶋大社に行くことにした。8時半開始でまだ時間があったけど、歩いて行くと意外と時間がかかってちょうどいいくらいだった。

入ると、巫女さんたちが落ち葉を掃いていた。さっぱりとした秋の朝が神秘的に始まる。開始少し前の静かで霊感あらたかな空間を味わうことができた。

参拝を終え、御朱印を頂戴してから、大社内を一周見て回る。最後に、「大社のよりどころ」という売店に立ち寄って、お茶セットを頂いて一服。温かい緑茶と、大社の名物「福太郎」のセット。柔らかな草餅に甘すぎないこしあんがほっこりする味わい。ごちそうさまでした。

 

大社を出ると、周りにお土産やさんが立ち並んでいることに気づいた。適当に歩いて回ると、「みしまコロッケ」の暖簾。三島では、メークインを使用したコロッケが有名らしい。土産屋さんに聞いてみたところ、まだコロッケは上がっていないとのこと。残念。

どこかにないかと探してみると、大社から徒歩3分ほどの近さに地元のお肉屋さんがあった。お肉屋さんのコロッケは間違いない。確信しながら、揚がっているか聞いてみたところ、ちょうど揚がったところだった。タイミング神かよ。

今の時期はジャガイモとサツマイモがあるらしい。迷ったけれど、期間限定に弱いのでサツマイモにした。でも定番も食べてみたかったから今度はジャガイモにしよう。

包み紙ごしにもコロッケの熱が伝わってきて、気分も上がる。かぶりついてみると、パン粉のざっくり感のあとに、素朴な甘みがほくほくと広かった。おいしい。

 

とりあえず駅に帰ろうと、帰路に着いた。んだけど、途中で見つけた「楽寿園」の看板に迂闊にも惹きつけられる。覗いてみると、学生は無料の文字。これは入るしかない。入った。

 

一歩足を踏み入れると、植物の世界だった。様々な種の植物がいつもより高い秋の空を目指すように伸びていた。種名を確認しながら一つ一つ鑑賞する。お気に入りは、まるでイラストみたいなまだら模様の「カゴノキ」。

 

静かな森の雰囲気を味わっていたんだけど、そこに現るのは小学生の大群。一気に賑やかになった。どうやら校外学習か何かのようで、いくつかの学校がやって来ていた。

 

植物園の奥には動物と触れ合える施設もあって、小学生に混じって動物を眺めた。小さい施設だから定番しかいないかと思ったが、むしろ珍しい動物が多く、なかなか面白かった。お母さんを見習ってカピバラを撮ってみようかと思ったけど、場所が悪くて行けなかったので、代わりにアルパカ。

 

どうやら一昨日から菊祭りが始まったらしく、一番優秀な菊を争う評価コンテストが行われていた。だからタイミングよ。

 

一通り見終えて、ようやく三島駅に帰って来た。来宮神社を目指して熱海駅へ向かう。熱海はやはり、温泉目当てでくる観光客が多いようで、温泉街があったり土産屋がずらっと並んでいたり、観光地らしかった。いろんな雑貨のお店にふらふら出たり入ったりしつつ、道に沿って山を登り、来宮神社へと歩いた。12時ごろに到着。

 

参拝しながら奥へ向かって行くと、突き当たりに目玉である、樹齢二千年の楠がどっしりと構えていた。長生きしている証なのか、木の根元は複雑に絡まっていて、不気味さと神秘さを同時に感じさせる。この二つは表裏一体だ。

胸の奥にひっそりと願いを込めながら、幹の周りを歩いた。どうか、どうか叶いますように。

 

御朱印を頂戴する間に、カフェやお守りを見て回った。どうしても叶ってほしい願いのため、思い切っていつもは買わない健康御守も買ってしまった。なんだかここのは本当にパワーがありそうな気がする。

来願成就。してくれますように。

 

帰りの熱海駅へと歩く途中で、練り物屋さんをチラッと覗くと、勢いのすごいおばちゃんに捕まった。うちのは美味しいよ美味しいよ、揚げたて上げるよと言われ、終いには温かいお茶が勝手に出て来たので諦めて入店。一番人気だという、イカ大葉天(¥324)をあげてもらった。熱々で、イカを噛み切るのが大変だったけど、コリコリとした食感と大葉のさわやかな後味であっさり食べられた。

「働いてるの?今日は休み?」と矢継ぎ早に書かれて、適当に頷いていると、大阪で営業をしてみるOLになっていた。ノルマがあって大変だって言っておいた。想像だけだけど。

ひとりで知らない街にいると、私は何者にでもなれるのがなんとなく楽しくて、でも悲しかった。

お喋りな店員さんの、呼吸の合間を縫って退散。駅までの商店街を試食を繰り返しながら歩く。途中で食べた黒ごま饅頭がすごく美味しかったんだけど、2日しか日持ちしなかったから諦めた。おいしかったなあ、濃厚で。

 

さて、熱海から静岡まで電車に揺られるとするか。平日のお昼だから空いていて、席をキープすると、いつのまにか寝てしまっていた。隣の人に何度もぶつかった気がする。

 

そんなこんなで静岡に到着。ぶらぶらしてみた印象としては、割と都会だなあ、と。flying Tigerとかタピオカ専門店とか、大阪京都で有名なお店が結構あった。

 

新静岡駅まで来たので、満を辞して、さわやかへ。さわやか新静岡セノバ店。3時過ぎというのもあって店内は空いていてすぐに注文できた。ハンバーグのサイズ、ご飯を付けるか否かで迷ったけど、結局ド定番を食べてみたいってことで、げんこつハンバーグ単品を注文。

 

コミ通り、店員さんがまあるい肉の塊を持ってきて、目の前で二つに分けて、断面をこんがり焼いてくれた。ソースと肉汁の焦げる匂いが半端じゃない。食欲全開。

食べられるかなーーーとか思ってたけど、気づいたら半分無くなってて、そのうち皿が空っぽになった。

表面は歯ごたえがあって香ばしい印象なんだけど、ナイフで切って中を見ると、赤くて生っぽいお肉。これが柔らかく溶けていって、表面とのメリハリをつけてくれている。まあとにかく、私は今!!肉を食っている!!という感覚を味わえる野生のハンバーグ。美味しくいただきました。

 

まるまるとしたお腹を軽くするために、適当にぶらぶらしてみる。ファッション街に行ってみたり、喫茶店のメニューを見てみたり。お腹膨れてるのにね。

結局、Google先生に聞くと近くに公園があるらしいってことで、行ってみることに。時刻は六時前。もうすっかり空気は冷えて夜が訪れていた。冬が近づいてきたね〜。

 

駿河城公園なる場所に近づいていくと、何故か警備員さんの姿。もう夜なのに公園に向かう人の姿がちらほら見える。え、夜に公園とか行く?自分を棚に上げてなんだけどさ。

 

疑問に思いながら到着すると、人がいた理由がわかった。ちょうど、大道芸のワールド大会をやっていたらしい。タイミング凄すぎな?

塾帰りらしき高校生が屋台ではしゃぐのを見ながら、私もいろんな屋台を観察。思ったよりも大規模でたくさんの屋台がでてた。

公園内に大道芸ブースが点在してて、歩いて回りながら発見した人の芸を楽しむ。タイムスケジュールも何も知らないから、時と運任せ。

 

ラッキーなことに、台湾の世界チャンピオンの大道芸をたまたま見られた。炎を灯した棒を平然と振り回すファイアー使いと、木製のフラフープみたいな器具を体の一部みたいにして目が回りそうなほど高速で回る細マッチョ。大迫力で目が離せなくなるほどの高度な技術。すごい!!って思いながらラストまで見て、演者が英語を話し出した時はびっくりした。そこまでグローバルな催しだったんだ、って。人生初かもしれないお捻りを投入。大満足でした。

 

他にもいろんな芸を見ながら、ふと屋台を見ると「しずんかおでん」の文字。あかねちゃんがおでん美味しい、黒はんぺんがいいよーって言ってたことを思い出して、お腹のハンバーグと葛藤しながら結局買ってしまうデブ。意志が弱い。魔法の言葉「折角だし」。

ともかく、冷えたからだにほくほくのおでんが染み渡る。大根とこんにゃくが美味しかった。注目の黒はんぺんはすごく歯ごたえがあって、すり身感がある。ざらざらした舌触りで面白かった。

 

大道芸を満喫したあとで、やっと今夜の宿へ。30分ほど歩いて、泊まれる純喫茶「ヒトヤ堂」。ここがめちゃくちゃ昭和レトロな雰囲気でお洒落なのに落ち着く空間だった。

特に喫茶店と滞在者共有スペースが混じり合ったところがお洒落。お洒落すぎてこの空間にいたくて、本棚から一冊選んで柔らかな光に照らされつつ読書。豊島ミホの「檸檬のころ」。爽やかな表紙に惹かれて。

他の人もここでご飯食べたり動画見たりしてた。居心地いいよね。

 

一時間ほど経ち、キリのいいところでシャワーを浴びる。タオル忘れちゃったから有料のを借りたのはちょっと不覚。さっぱりしてから二段ベッドの上には入り込み、包まって就寝。長い1日だった。

 

 

翌朝。八時半ごろには目が覚めて、顔を洗って気持ちばかりのメイク。なかなか健康的。

九時半にはロッカーの鍵を返して、宿をたった。お姉さんの浪漫が詰まったいい宿だった。私と同じようなひとり旅の女の子がいて、ちょっと仲良くなりたいと思ったけど、今の私にはまだ無理かなあ。

 

今日は一日、ごはんを中心に動く。

まずは静岡駅から電車に乗って、用宗駅へ。

海の近い駅で、降り立った瞬間になんとなく潮の香りがする気がした。漁港の方へ向かう。

なかなかの田舎で私としては結構落ち着く町。海が近い町は独特の開放感があっていいかも。

 

ちょっと歩いて、ぐるりと塀が囲む漁港を発見。少し早かったのか、人っ子一人いない。海も穏やかで、波音も立たず、とっても静かな午前。目的のどんぶりハウスに近づくと、まだ準備中。11時開始なのに10時くらいに到着しちゃった。

野菜ジュースを飲んでお腹を宥めながら、木陰でひっそりと休むことにする。まばらに過ぎる人がチラ見していくのがちょっとキツい。

11時に近づくにつれて、車で観光している人たちがぱらぱら集まってきた。やっぱ静岡は車で回るべきだよねえ、駅から結構歩いたし。

 

やっと11時になったので、どんぶりハウスがオープン。早速、生しらす丼を注文してみた。

しらすといえば釜揚げしか食べたことがなかったから、生ってどんな味なんだろって気になってたんだよね。正直ちょっと食中毒とか怖いかなって言う気持ちもあったけど、チャレンジ精神が大事、何事も。

 

すぐに番号が呼ばれて取りに行く。これ、見た目がすごい。透明感のある銀色の魚が、ごはんが見えないくらい大盛りにされていて、大量の目ん玉が光を弾いてちょっと不気味。

どきどき、はらはらしながら醤油をひと掛け。そして実食。思ったよりもなんていうか、味がしない。ツルツルとした食感が面白いんだけど、とにかく淡白な味。これはこれでまずくはないけど、私は釜揚げしらすの方がほっこり甘みがあって好きかも。まあ、食べなきゃわからなかったことだから、いい経験になった。

結構ごはんが多くてお腹いっぱいになったな。ごちそうさまでした。

 

さて、次はななやで抹茶ジェラートを食べるぞ。予定は決まっていたけど、ちょっと腹ごなしの散歩が必要だったから、折角だし富士山が見えるという用宗の浜辺へ。

海が見える場所まで来ても、山なんて一つも見えないじゃん。って思ったけど、釣り人がたくさんいる一本道が海を割るようにかかっているのをみて、そこに行ってみることに。

結構高さがあって怖かったけど、何人かの釣り人を追い越してから富士山の方向に顔を上げてみると、小さくだけどすっきりとした山の輪郭を発見。青い空に良く映えていた。かっこいい形だなあ。

f:id:hsk10_213550:20181127152739j:image

 

静岡っぽさを味わったところで、ななや本店のある藤枝駅へ移動。なんか砺波の街並みを思わせる木々。枝の間に死ぬほど蜘蛛がいて、木の下をくぐるたびにちょっとビビった。

 

ななや本店までが結構遠くて、30分以上歩いたんじゃないかな。着いた時はちょっと感動した。

お腹もいい感じに空いてきた13時ごろ。1から7まで抹茶の濃さを選べるというジェラートが売りなんだそうな。標準レベルの3と、ここでしか味わえない濃厚さの7を選んでダブルのジェラートに。もう色からして濃い。一般的な抹茶の緑ではない、敢えていえば苔みたいな色。例えが酷いな。

まず3から食べてみると、普通にさっぱりした抹茶で、ほのかな甘みを感じる美味しいジェラート。え、3でも十分抹茶だったぞ?恐る恐る7を口に運んでみると、抹茶につける形容詞としてはおかしいとは思うんだけど、ガツンとくる抹茶の渋み。まるでお茶っ葉を丸かじりするような味わいのアイスバーセブンイレブン風)。口に入れた瞬間は香り高くて上品なお抹茶って感じなんだけど、溶けて残っていく後味が完全に葉っぱ。めっちゃ面白い味だった。ふたつを交互に食べると甘みも引き立つし、抹茶感をたっぷり味わえて最高。

 

ジェラートが美味しかったから自分へのお土産を選ぼうと見て回った。店内には所狭しと抹茶のお菓子が置いてあってどれもこれも美味しそう。迷いに迷って、ジェラートと同じ基準の1から7の抹茶濃度を選べるチョコの7をチョイス。あとで家で食べて後悔した。濃すぎてチョコ食べたあとなのに甘い物欲しくなる。

あと、試食して美味しかった玉露(緑茶)のチョコも選んだ。ついでにしっとりタイプのクッキーも1枚買って、我慢できずにその場でぱくり。美味しかった。

 

さてさて、目的を果たしたので、帰りのバス乗り場の浜松駅へと移動。1時間くらい、ウトウトしながら電車に揺られる。今回はちょっと歩きすぎだったから、クロスバイクとか買うのもいいかもなあ。

 

静岡駅と同じくらいの都会さ、浜松駅。バスターミナルがでかい。到着したのが3時頃で、バスの出発が5時頃だったから、滞在時間は2時間余り。ちょっとだけショッピングをすることにした。

百貨店の地下で野菜とかお菓子を冷やかしに行ったり、安売りしてたミニトマトをなんとなく買ってみたり。荷物が増えるから服は見ないと思ってたらあっという間にショッピングが終わって、暇になっちゃった。

 

駅に戻って、お土産屋さんでうなぎパイを買うという約束も果たしたので、記念に浜松餃子だけ食べて帰ろうと決めた。

並んでて時間が心配だったけど、回転率が高かったからなんとかお店に滑り込み。駅構内の、石松餃子。

実はあんまりお腹すいてなかったから、1番少ない浜松餃子単品、10個だけを注文。

にんにくの香りがすごくて、すごくて、なんか匂いだけでお腹が脹れてきて、なんならちょっと気持ち悪くなっちゃった。

食べてみたらいけると信じて、届いてしまった餃子を心を無にしてぱくり。お?皮がもちもちで歯ごたえがあって、その奥から温かいキャベツがほんのり甘さをひきつれながら溢れてきた。あれ、美味しい。意外といける。

ま、途中でやっぱり気持ち悪くなっちゃって、休憩を挟みながらお腹にねじ込むような形になってしまったんだけど、ほんとに美味しかった。体調が優れなかったのが悔やまれる。

 

とまあ、半ば意地みたいなかんじで最後まで静岡を満喫した。そして高速バスに乗り込んで、帰りは死んだように眠っていたのでした。

 

観光地としてはあまりパッとしない印象だったけど、静岡、めっちゃいいところやん。食べ物美味しいし、神社とかの非日常感も味わえる。次来たら、キルフェボンも行ってみたいし、自衛隊の空母部隊も行ってみたいな。