ハジケ。

体に栄養を、心に刺激を。

2019/07/20,21 京都&大阪めぐり


突発的弾丸旅行withのがみん第二弾。
今回は京都、貴船神社です。

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公園でビールを飲み、深夜まで丸一日駄弁っていた日に、「そうだ、貴船神社に行こう」と相成りまして、少し大阪からは遠い立地なので一泊してみることに。京都旅行といえば日帰りだったけれど、あえて一泊するところに浪漫があるのです。

9:00 阪急石橋駅に集合。
相変わらず遅刻をかましてしまい、足早にホームへ向かうとのがみんはすでに待機中。申し訳ねえ……。
早速電車に乗り込み、阪急電車に揺られる。
石橋→十三→河原町。なかなか長い道のり。京都線は全然座れなかったけれど、大丈夫です、若いので。

そして京阪電車に乗り換え。
祇園四条出町柳
さらに叡山電鉄に乗り換えて、
出町柳貴船口
片道2時間の道のり。長いけれど、運賃は1100円と一泊二日の旅行にしては滅茶苦茶リーズナブル。京都だとやっぱり安いね。

普段からよく乗る阪急電車は、車内の色合いも落ち着いていて、乗客も基本的にはマナーがよく品のいい感じがするんだけど、京阪、叡山と遠のくにつれて少し古ぼけた生活感の溢れる様相になっていくのがなかなか面白い。
特に叡山電鉄は、ちょうど老人会の慰労旅行っぽい集団とともになり、楽しそうに会話を交わすおじいちゃんおばあちゃんにほっこり。のがみんのいう、「自分の非日常で日常を送っている人の空気を感じるのが好き」というのが私も少しわかってきました。

11時ごろ、貴船口に到着。お昼前だからか観光客の数が非常に多く、駅から神社に向かうバスは国際色豊かな人々ぎゅうぎゅう詰め。満員電車とか乗らないから結構きつかった。坂道だから揺れるし。

そしてバスが到着!
雑音のない神秘的な山道に、思わず世界の車窓からみたいな口調になってしまいそう。
眼下一面に広がる緑と、神社へと続く一本道。雨が降るか降らないかぎりぎりの曇り空だったからか、葉にはまだ滴が跡を残していて一層生い茂る。遠くで鳴く蝉の声がいつの間にか来ていた夏を知らせてくれる。
河原町なんかとは違って、人もそんなに多くないし、全身で吸える空気がおいしい。

ほとんど朝ごはんを食べずに来ていたから、車内で目をつけていたランチを探して歩く。だけど、道なりに進むうちにかわいいおばあちゃんに手招かれ、ついつい寄って行ってしまった。
学生にはお高いからと諦めていた川床料理が、3000円のお弁当で食べられるのだそう。一瞬のがみんとアイコンタクトで相談。入店を決めました。おばあちゃんかわいいし。

貴船神社は水の神を祭ってあるらしく、近くには大きな川が流れている。その川の上に木を渡して茣蓙を引き、食すのが川床料理だ。
すだれで作られた壁に沿って階段を降りると、一気に足の下を流れる水の音が近づいた。頭上には日除けらしき藁の屋根。蔦が張っていて風情がある。

私たちが頼んだのはお昼のお弁当。3240円。
二段の重箱を開けると、とろろやら鯛の刺身やら。名物のそうめんも。このそうめん糸かと思うくらい細くて、触感が非常に繊細。なんだか上品な味。
湯葉の煮込みをのっけたお茶漬けも、お酢を垂らして食べる鮎の塩焼きも、古き良き日本食といった感じで体に馴染む。ちなみにこのお酢、蓼酢というらしい。蓼食う虫も好き好きの蓼だ。すっとこういうのが出てくるあたり、私たち頭良っ。

食べ過ぎないくらいのちょうどいい量。ごちそうさまでした。

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店を出てまた歩き始める。少し上ると、雰囲気のいい雑貨屋さんが空気に馴染むように開かれていた。ふらふらと寄ってみると、並んでいる雑貨の数々も品がよく、遊び心もあってめちゃんこかわいい。なにより学生でも買えそうな値段というのが最高。
荷物が増えそうなのでいったん下見だけにして、またあとで立ち寄ることに。

登山続行。しばしして、今回の目的地である貴船神社に到着。赤い鳥居をくぐったら、臙脂の灯篭が上へ向かって並んでいる。パンフレットでよく見る光景だ。お昼という事もあって人が多く、なかなか堪能とはいかなかったけれど、これはこれで活気があっていいかも。

今回は忘れずに持ってきた御朱印帳を預けてから、参拝へ。まずは水の神様という事もあって、水占いという少し変わったおみくじから。受け取った白紙を水にさらすと、文字が浮かび上がってくるという不思議な占い。油を塗ってはじいているのかしら。

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結果は吉。全体的にいいことばかりで大勝利。ただ、勉学は努力すれば吉、とのことなのでそろそろ卒論どうにかしないとやばそう。まあぼちぼちやろう。
鐘をがらがら鳴らしてお賽銭をいれてお参り。
結構いろんな国の人がいて、占いもQRコードで翻訳できるようになってた。なかなか賢いやり方。

ゆっくり楽しんだあと、さらに奥宮を目指すことに。本宮から奥宮の間に旅館や飲食店が多く、坂道という事もあって結構きつい。到着すると、さらに奥まったところにあることもあって、人気がさらに薄くなり、神域の雰囲気を感じる。連理の杉や相生の杉といった植物の息吹もあった。

坂道を下りつつ、気になっていた「豆腐ソフト」の昇りのお店に入る。食券を買って、豆腐ソフトクリームを手にした。甘すぎず、後味が予想以上に豆腐の柔らかい味がしてなかなか好きな感じ。私たちが入った後に、中国の家族連れが入ってきてにわかににぎやかに。

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ここまでゆっくり貴船を楽しんで、まだ午後2時。朝から動くと一日が長くてびっくりする。最近昼に起きてたし。

せっかくなので鞍馬の方まで行ってみることに。貴船から鞍馬まで約40分ほどのハイキングコース。

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森の中へ踏み入って、ひたすら階段を上る。足元は昨日の雨もあってどろどろで、お気に入りの靴が少しずつ茶色に染まっていく。私は前にも熊野古道を歩いたことがあるからまだ大丈夫だったけれど、のがみんは本当にしんどそうだった。
でも、一番最初の道が一番きつかったみたいで(というか私たちが逆走してたからきつかっただけ説濃厚。鞍馬→貴船のほうが楽みたい)、魔王殿というところまでついてしまうと、あとは平たんな道で助かった。

鞍馬山を一通り歩きとおしたけど、自然を歩くこともさることながら看板を読みながら行くのが楽しかった。木の根道とか、息つぎの水とか、源義経の逸話の聖地だからかかっこいい名前が多かった。

f:id:hsk10_213550:20190729014312j:imageあと、岩や石の説明も多かったんだけど、閃緑岩とかペルム紀とか受験期を思い出すワードが出てきて懐かしかったわー。
でもこんなんで盛り上がるのは多分のがみんといったからだろうな。これだから教養のある人間は好きだ。

あと山道を歩いているときは人との距離が近くなっていい。すれ違いながら「こんにちは」って言いあうのとか、山ならではの空気感があっていいなあ。なんていうか、山を歩いている人、という以外になんのレッテルも張り合わなくていいから楽なのかも。

森の小道から一気に開けたところに、鞍馬本宮があった。

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朱色の立派な本宮に参拝。ついでにトイレによりつつ、しばし休憩。建物の隅に腰を下ろして手帳を見つめるお姉さんが絵になりすぎててよかった。

さて、一泊二日なのに時間が濃ゆすぎて文字数がすごいことになってきたぞ。巻き巻きでいきます。

鞍馬本宮を出て、駅まではケーブルカーに乗ることに。地下のホームへと向かうと、ケーブルカーの到着を待つ子供連れのお母さんがいてほっこりした。

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やがて時間になり、切符を渡して搭乗。小さなケーブルカーだけれど、運転士のお姉さんもかわいくてなんだか穏やかな時間だった。

鞍馬駅の周辺までつくと、境内を出たところに「趣味の店」という看板を掲げるお店を発見。店番のおじいちゃんが暇そうに団扇を仰いでいる。ネーミングの思い切りの良さについ吸い寄せられて入店。ヘリコプターやオートバイの木工模型があって、その作り込みの手厚さにびっくり。ちなみに別におじいちゃんの手作りではないらしい。なんやねん。

「なんか面白い写真取れたか?」と話しかけられ、おじいちゃんに近くの桜をすすめられた。行ってみると、桜の折れた木のなかにカシ(だったかなんだったか)の種が落ちてそこから芽吹いたらしく、二つの木々が共存していて神秘的だった。なんなら貴船神社の連理の杉よりも連理してるくらい。

このへんはやっぱり、天狗が伝承されている地だからか、どのお店を覗いても大きな天狗の顔が壁に取り付けられているのが印象的。その中の一つに入って、小腹がすいたので美味しそうなヨモギ餅をぱくり。口内に引っかかる葉の感覚が、自然のモノを使っている感じがして素朴でよかった。

では温泉へ。汗もかいたし「くらま温泉」へ行こうと地図で調べて歩き始める。ふと気になって、そういえば入場料いくらなんだろう?と調べると、ここが大誤算。なんと2,500円。
値段を知ったのがみんは冷静に「2500円かー、どうする?」と聞きながら、足だけはすでに駅へと引きかえしていた。だから私もそうやなあ、といいながら踵を返した。

再びの叡山電鉄。もう5時くらいになっていたから、貴船へと戻って七夕のライトアップに備える。

閉店時間ギリギリに、目をつけていた雑貨屋さんに滑り込み物色。イヤリングも食器もかわいくて、私はいい匂いのする石鹸を買うか迷った結果、結局何も買わなかった。のがみんはふぐのお茶碗を買っていたんだけれど、まるまるしてて本当にかわいかった。
大満足の買い物を終えて、日が暮れるまでどこかで時間をつぶそうと山道を登る。

昼に見つけていた喫茶店。閉店中。
バカ高かった飲食店。閉店中。
休める場所を探しているうちに、いつの間にか奥宮までついてしまっていた。なーーーーーんにもない。ここが地獄か。

結局奥宮の湿気のあるベンチに腰かけて時間をつぶすことに。あまりに暇すぎて、俳句を読もうという事になり、ここで一句。

そうめんに 英世とらるる 負け戦
息切れて 手すり求むる 荒れ野山 峠超えれば 〇〇〇〇〇〇〇

2句目は結句がどうしても思いつかなかったのでお蔵入りである。悔しい。
なんだかおばあちゃんちの夏休みみたいな懐かしさを感じつつ、耳を打つ水のせせらぎと蝉の声に癒された。

そしてとうとう七夕のライトアップへ。
お昼も見た灯篭だけれど、ほのかに明かりが灯されると温かみがあって雰囲気が全然違う。人も少なめなのでポージングをして連射。ほぼ動かしてないインスタに乗せなきゃ。

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夏祭りのあとのような、お盆のゆったり流れるような、そんな穏やかな時間。ライトアップされてきらめく短冊のなかに、私たちも願いを託した。

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私は「めちゃくちゃ楽しい夏休みになりますように」
のがみんは「素直に生きます」

正直なところ、人生に対して断言で挑むのがみんの姿勢がうらやましい。私は夏休みというわずかな時間でさえ、なりますように、と他力本願だ。まあ、めぐりあわせの中で幸せを見つけるのが私の生き方なのかもなあ。

ベンチに座って、行き交う人々を眺めつつ、ちょっと人生相談とかしちゃったりして。とにかくまったり過ごした。京都のTHE観光地、みたいなところよりもよっぽど私たちが思い浮かべる「日本の夏」があった。最高。

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心行くまで過ごした後は、バスと電車を乗り継いで本日のゲストハウス、和楽庵へ。神宮丸太町で降りて、夜も更けた街を歩く午後9時。
宿の人も仕事を終えていて、玄関に紙が張り付けてあった。中へ入ると、昭和レトロな雰囲気漂う小さな木造の家。共有スペースから見える庭が、模範的な縁側でをかし。

荷物を置いて、さすがにお腹がすいたので近くにあったから船屋へ。パフェのイメージしかなかったけれど、デミグラスオムライスめちゃおいしかった。食後に抹茶パフェも半分こして、お腹いっぱい満足満足。

宿のシャワーはちょっと頼りなかったので、近くの銭湯までいくことにした。平安湯、という銭湯で、5つほどお湯があり予想以上に楽しめた。ゆっくり湯につかるのって本当に最高だ……。

もう5000字くらい書いているのに、まだ一日目しか書いていないのに驚き。それくらいほんとうに濃ゆい一日だった。おやすみなさい。