もういちどうまれる
3月22日。
今日寝てしまうと、明日には私はもう社会人になっている。摩訶不思議な社会人。今まで一度もなったことのない人種。
正直なところ、よくわからない気分だ。
社会人になりたいとは思わない。けれど、この学生を引き延ばした生活をずっと続けるのは無理だとも思う。世間体とか関係なしに、変わらない日々を過ごし続けるのは、それはそれで難しいことだと感じるから。
会社の雰囲気とか、はじめの研修とか、意外となんとかなるんじゃないかと思う要素もあったりして、でも毎朝早く起きることに辟易したりして。今更、労働条件のさほどよくない会社に入ることに対する不安が振り返してきたり、もうひたすら情緒不安定だ。
でも、社会人になるからと言って劇的な1日を過ごしたわけじゃなかった。
髪を染めて、友達とゲームして、借りた漫画を読み耽って。そうしているうちに夜が更けた。
私は大して変わらないんだなということに、なんだか救われる。
私は私のまんま、社会人としてもういちどうまれる。初めてすることだらけだから、自分に期待しすぎないように、覚えるための努力を怠らないように。とりあえずはそれだけ頑張ろう。
ああ、モラトリアムが終わる。
上がり始めた第二部の幕にしがみついていたい気持ちが拭い去れないけれど、それでも人生は進むんだなあ。
いい加減大人にならないと。
いつまでも甘えているだけじゃだめだ。